コンクリートジャングルを、最高の相棒と

自転車通勤を始めると、以前よりも見てくれが気になるようになった。

信号で一斉に止まる背中の中でも目を惹くのは、かっこいいバックパックを背負っている自転車乗りだ。

毎日のようにそんな光景を見ていれば、なんとなくメッセンジャーバッグ風のカバンを愛用していた彼の胸に、むくむくと物欲が湧くのにはそれほど時間がかからなかった。

善は急げと仕事の合間にスマホで調べたネットのまとめ記事で、ひときわ目を引いたのは『アークテリクス』のバックパック。あの化石のようなロゴはみたことがある。

彼は、さっそく職場に近い店舗を検索し、新宿の小田急ハルクを訪れることにした。行動力の男である。

都会的なアウトドアブランド

アークテリクスといえばアウトドア用品のイメージだったので、ミニマルで都会的な着こなしのマネキンに迎えられたのは、ちょっと意外だった。

何気ないのに、なんとなくあか抜けている。よくよく見ると、形はトレンチコートなのに、素材は防風性と防水性に優れたゴアテックスだ。

自分の羽織るウィンドウブレーカーに目を落とし、再度マネキンを眺めてみる。ううむ、全身これになりたい。

しかし、今日の目的はバックパックだ。

PCが入って、突然の雨にも耐えうるもの。何を隠そう、先日、通勤中にわか雨に見舞われ、ナイロン素材のバッグに入れていたガジェットを行水させてしまったのだ。

バックパックの25Lだとか19Lというようなサイズ表記も、実店舗で手に取れば実感しやすいだろう。

どこへ行くにも、よりどりみどり

壁面一帯に、あらゆるサイズのバックパックが並ぶ。

鮮やかなオレンジ色を見て、「派手だな」と呟くと、彼の様子を伺っていた店員が説明をはじめてくれた。

「カラフルなのはアウトドア用が多いですね。すっごく軽くて、背中の通気性が高くて、腰に固定できるようにベルトが付いているようなものがそうです。どのようなタイプをお探しですか?」

「自転車通勤用に、と考えていて」

必須条件は、防水性があり、ノートパソコンとA4ファイルが入ること。あと、ビジネスマン的には、ちょっとシュッとした感じがあるといい。

「それだと、このあたりになりますね」

と、店員が指すリュックは、ブラック、グレー、オリーブといった主張しないシックなカラーのバックパックだった。アークテリクスには、アウトドア用だけでなく、タウン用のラインがあるのだ。

相棒と供に、雨を味方に

「タウン用って、アウトドア用に作られたものと何が違うんですか?」

アウトドアでも使えるタイプの方が、タウン用よりもハイテクな機能を持っていそうだ。

それなら、アウトドア用でもいいかもしれない。アウトドア向けに作られていても、このブラックなんて、結構スマートな印象だし。

超軽量化されたアウトドア用のバックパックのメッシュに触れながら、そんなことを思う彼に、店員はタウン用の強みを説明する。

「タウン用だと腰や胸のベルトがついていない分、肩に負荷がかかるので肩のベルトがアウトドア用より太めになってます。また、タウン用ならノートパソコン用にクッション付きのスリーブがついているものもありますよ。15インチまで対応してます」

さらに、タウン用は軽さよりも使い勝手を優先した設計のため、雨の侵入を防ぐ止水ファスナーや防水機能がしっかりした生地を使用しているのも特徴だという。まさに彼が求めていた機能である。

そもそも雨用の装備を別で持っていくことが前提となるアウトドア用とは全く別物だ。なるほど、違うニーズに応えているのだな、と感心する。

「山用品に使われている技術がタウン用に応用されているので、快適だと思いますよ! 人間工学に基づいたこのフィット感は他にはないですね」

タウンに特化したバックパックを背負ってみると、おお、と思わず声が出た。

自然と体に沿うような背負い心地だ。

スリーブ部分には小さなポケットがいくつか付いていて、ここには充電コード、手帳、ペンケース、財布はこっちに、と早々に収納する小物へ空想が広がる。彼の心は完全に、タウン用に奪われてしまった。この機能性で、25,920円。予算内だ。

「この、グレーで」

背負って帰られますか? という問いに、元気よく肯定してしまい、少し照れる彼だった。

これなら、まだまだ冷たい雨すら怖くない。ほくほくと天気予報のアプリを開き、晴れマークにすこし落胆するのだった。

Shop Access

Shop Info

アークテリクス 小田急ハルク新宿店

月〜土 10:00〜20:30/日祝 10:00〜20:00

なし

03-5990-5857

東京都新宿区西新宿1-5-1 小田急ハルク B1F

新宿駅 徒歩2分

Editor 小西麗
Photographer 橋本越百

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