昔ながらを軽やかに楽しむ、“いとをかし”なお大福

“飲めるほどに柔らかい”

不意に視界に飛び込んできたそのキャッチコピーに、彼女は思わず散歩の足を止めた。

ナチュラルなウッド調の立て看板に貼り出されているのは、何やらカラフルな6つのぽってりとしたシルエット。

「大福、だと思うけど……」

東急大井町線の線路を背に、彼女は吸い込まれるようにその看板のお店へと1歩を踏み出した。

ふわふわホイップが詰まったイマドキの「Daifuku」

彼女が訪れたのは、自由が丘駅から8分ほど歩いた先にある、「It Wokashi」という大福のお店。白を基調としたシンプルな店内に、パッと目を引く鮮やかな色合いのおしゃれなパッケージが並んでいるのが見えて、何だかわくわくする。

「いらっしゃいませ。白餡と生クリームをホイップした柔らかいクリームのお大福です」

そう声を掛けてくれたのは、お店のマネージャーの川合さん。お店の制服であろう、黒の法被がよく似合っている。

「へえ、ホイップクリーム! だからあんなにふわふわで柔らかそうなんですね」

「そうですね。それから、うちのお大福は求肥にメレンゲを加えているんです」

店先の立て看板を指さした彼女に、川合さんが微笑みながら言う。

一体どんな味なんだろう……食感も、本当にあんなにふわっふわなのかな……

ホイップクリームも、メレンゲも、彼女の中の「和菓子」のイメージとはあまり結びつかない。普段はなかなか大福を食べたいなんて思わないのに、すっかり未知の味わいを体験したくてたまらなくなってしまった。

ひとくちで「和洋折衷」な斬新なフレーバー

It Wokashiを立ち上げたのは、三重の鈴鹿で300年以上も続く老舗の和菓子屋「大徳屋長久」の16代目当主である竹口久嗣さん。そして、日本で古くから親しまれている和菓子を新しいスタイルで提案するプロダクトの第1号として作られたのが、このふわふわのホイップが詰まったカラフルな「Daifuku」なのだ。

「普段は和菓子をほとんど食べないような若い人にこそ届けたい」という思いが込められているIt WokashiのDaifukuは、フレーバーも非常に斬新なものが揃っている。

「抹茶&レモンに、烏龍&杏仁……えっ、こっちはピンクペッパー?」

予想外の取り合わせに彼女が驚いたのは、ピンク色の求肥が何ともかわいらしい「苺&ピンクペッパー」というフレーバー。川合さん曰く、ホイップの甘みの中にピリリとしたペッパーの刺激が加わり、何とも絶妙な味わいなのだという。

彼女がこれまで抱いていた大福のイメージとは、ビジュアルも、中身も、味も、全てが違っている。それなのに、どこかほっとするような優しさを感じるのは、この『Daifuku』が確かな伝統を受け継いで生まれた「新しい和菓子」だからだろう。

昔ながらの和菓子だからこそ、色とりどりの楽しみを

「味のバリエーションも面白いですし、何より箱がすごくかわいいですよね」

ピンクにオレンジ、グリーンにブルー……鮮やかでポップなパッケージのデザインを指さす彼女に、川合さんがDaifukuの成り立ちについて説明してくれる。

「実は、フレーバーの種類を決める前に、まずパッケージの色から決めたんです。パッとお客さんの目を引くことのできるようなデザインにしようということで、味の方はデザインに合わせて後から当てはめていって」

川合さんのその言葉に、「そんな工夫があったなんて!」と彼女は目を丸くする。もっとも、彼女自身も、店先から覗くカラフルな彩りに吸い込まれてしまった一人だ。

凍ったままで、柔らかくして、どちらも試したくなる

この日彼女が買って帰ることにしたのは、落ち着いたブルーのパッケージに惹かれて手に取った「葡萄&ラム」と、和菓子に胡椒という予想外の組み合わせが気になった「苺&ピンクペッパー」。三重の本店で製造されたDaifukuは優れた冷凍技術によって急速冷凍され、できたての状態で東京に運ばれてくるのだという。

レジでのお会計の際、川合さんが冷凍ならではの楽しみ方を提案してくれた。

「完全には解凍せずにまだ少し凍った状態のまま召し上がっていただくと、アイスのようなまた違った味わいを楽しんでいただけますよ」

へえ! と思わず感嘆の声を漏らした彼女は、早速「どちらを凍ったまま食べようかな」と考え込む。こんな風に悩む時間も、何だか楽しく感じられるから不思議だ。

お店のタグがついたシンプルな白い紙袋を揺らしながら、彼女は家路を急いだ。

Editor's Note

ふわっふわのホイップクリームとやわらかい求肥のハーモニーが絶妙なIt Wokashiの「Daifuku」。

取材の際に試食させていただいた「苺&ピンクペッパー」のフレーバーは、苺の爽やかな甘みの中にピリッと弾ける胡椒のアクセントが面白く、今まで体験したことのない美味しさでした。

また、カラフルなパッケージがとてもかわいらしく、私はお大福を頂いた後の空箱を未だに捨てられずにいます……。

今度実家へ帰る時に手土産として持っていこうと考えているので、次はぜひ凍ったままの味わいを楽しんでみたいと思います。(編集部 フクシマ)

Shop Access

Shop Info

It Wokashi

10:00〜17:00

03-6882-0005

東京都世田谷区奥沢7ー19ー17

九品仏駅 徒歩3分/自由が丘駅 徒歩8分

※取材時期や店舗の在庫状況により、掲載している情報が実際と異なる場合があります。 商品情報や店舗の詳細については直接店舗にお問い合わせください。
Editor 福島みづき
Photographer 橋本越百

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