“飾る”ことでひらく、ヴィンテージブックの新たなページ

お洒落だけれど、作り物の街ではない。自由が丘を歩いていると、彼女はそんな風に感じることがある。

店主さんのこだわりが感じられるお店が数多く立ち並ぶこの街は、きっと、絶えず人の手によって作り続けられてきたのだろう。どんな人が、どんな思いでそのお店を営んでいるのか。彼女は想像を膨らませてみる。

そうした「体温」のようなものが感じられる街だからこそ、何度も散策する楽しみがある。また新たな一面を発見しようと、彼女は駅からの道を歩き始めた。

ほどなくして、彼女が足を止めたのは、アーチがかった大きな窓が特徴の『DULTON JIYUGAOKA』。その佇まいから漂う異国の空気に導かれて、彼女はお店のドアをくぐった。

じゃれるようなお茶目さに溢れた雑貨たち

『DULTON JIYUGAOKA』は、遊び心に溢れたインテリア雑貨を扱う雑貨店。ビルの1棟がそのままお店になっているということもあり、一歩足を踏み入れると、彼女の目の前にまるで異国のマーケットのような光景が広がる。

5つのフロアから構成されている店内に並ぶのは、DULTONのブランドのコンセプトである<ガレージ> <D.I.Y> <キッチン> <ガーデン>という4つのシーンをベースとした、幅広いテイストの家具や雑貨たち。

まずは、シーズナルなアイテムやキッチン雑貨を扱う1階を見て回ることにした彼女。ずらりと並ぶキッチンウェアは、ウッド、ホーロー、ガラスとそのテイストも様々で、使いたいシーンや用途に合わせて選べるのが嬉しい。

中でも、彼女が惹かれたのは、鮮やかな色使いが目を引くキッチンタイマー。手に取ってみると、最近ではなかなか目にすることのないゼンマイ式で、アナログだからこその温かみのあるポップなデザインが素敵だ。

こういうちょっとした茶目っ気のあるアイテムって、それだけで気分が上がって欲しくなっちゃうんだよね……

梅雨の時期には自分の部屋で過ごすことも多くなるから、自分の部屋に新しい雑貨を取り入れるいい機会かもしれない。思わずそんな風に考えてしまうほど、DULTONの雑貨には、ふと手に取りたくなるようなさりげない遊び心が溢れているのだ。

「読む」のではなく「感じる」、インテリアとしての古書

上のフロアへと続く階段を上っていくと、彼女の前に見上げるほど高い本棚が現れる。息を吸い込む度に、古い本ならではのあの独特の紙の匂いがすっと体の中に入り込んでくる。

壁一面の本棚に味のあるハードカバーがぎっしりと並べられている様子は、まるで古い洋画のワンシーンのようだ。何だか映画の中に入り込んでしまったみたい、と彼女はその光景に圧倒される。

彼女が訪れているのは、M2階の古書専門店「HUE BOOKS」。DULTONがプロデュースしているこの本屋では、古本洋書を「インテリアの素材」として販売しているのだ。

天井まで棚差しされた本は「ヴィンテージブック」、目線の高さに表紙を見せて陳列された本は「コーヒーテーブルブック」という。古書で、前者は統一感やアクセントのある背表紙で、後者は表紙や中身のビジュアルでインテリアを楽しむ。

彼女は目の前の本棚から1冊の本を抜き取り、パラパラと中身を眺めてみる。何が書いてあるのかは分からないが、無理に理解しようとするのではなく、ただその美しさを感じるのがここにある本たちの楽しみ方なのかもしれない。

本に宿る物語に触れ、自分自身と向き合う時を

HUE BOOKSで扱っている古書は、どれも色や写真などのビジュアルを重視してセレクトされた1点もの。文字通り、ここでしか出会えない本たちなのだ。

遠い海の向こうで多くの人々に読まれた本が、今、この日本でインテリアグッズとして存在している。自分の想像も及ばないような世界が詰まった本を自分の部屋に飾るのだと思うと、彼女の胸に、今までに感じたことのない好奇心が溢れ出してきた。

ここでなら、自分に合う、とっておきの掘り出し物があるような気がする。そんな予感めいたものを感じて、彼女はじっと本棚を見つめた。

ART,MUSIC&FILM,EAT,GARDEN……

鮮やかな表紙の本がジャンルごとに陳列されているのを眺めながら、彼女は「GARDEN」のコーナーの前で足を止める。表紙に咲く花々に、何だか心を動かされた。

「案外、私って花が好きなんだ」と自分自身の新たな一面を発見し、彼女は嬉しくなった。様々な歴史をもつ本たちに誘われて、彼女の心の中にも、新たなストーリーが綴られていく。

飾ることで、新たなページをひらく

花の古書に惹かれた彼女は、自分自身の新たな一面を見つけた記念に、上のフロアで見つけた一輪挿しも買って帰ることにした。

手の中の洋書と一輪差しに満足しながら、帰路に着く彼女。新しい発見に触れられ、洗い立ての服のようにまっさらな気持ちを抱いていた。

長い時間を掛けて、たくさんの人の手に渡ったであろうヴィンテージブック。遠い国での歴史を宿した本は、自分の部屋に飾った時、どんなページをひらいてくれるだろうか。そんな想像をしながら、彼女の足取りは軽くなっていく。

ゆっくりと自分の心と向き合いながら選び取ったこの本を部屋に飾れば、どんよりとした雨の日でも、部屋での時間を退屈に感じることはないだろう。

Editor's Note

DULTONといえば、メンズライクなヴィンテージ雑貨のイメージがあったのですが、一歩お店に足を踏み入れたら、繊細なガラスの食器やかわいいホーロー容器、ルームフレグランスや、デコラティブなタッセルなど、女子好みのアイテムがあふれる空間に、一瞬でお買い物心に火がついてしまいました。値段もお手頃なので、ついあれもこれもと手にとってしまいます。

DIY用品やアウトドアグッズ、ガレージアイテムも豊富なので、カップルやご夫婦で訪れたら「私は雑貨をみてるから、あなたはDIYコーナーね」と、時に勃発する“女性の買い物に付き合って時間をもてあます男性問題”、DULTONなら心配ありません。(編集部 joe)

Shop Access

Shop Info

DULTON 自由が丘店

11:00〜20:00

なし(年末年始を除く)

03ー6421ー4875

東京都目黒区緑が丘2-25-14

自由が丘駅 徒歩5分

※取材時期や店舗の在庫状況により、掲載している情報が実際と異なる場合があります。 商品情報や店舗の詳細については直接店舗にお問い合わせください。
Editor 福島みづき
Writer 猪俣霞
Photographer 橋本越百

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