懐かしくてあたらしい、キャラメルはわたしのお守り

会社で、手土産としてもらったシンプルな包みのキャラメルを半分かじったとき、彼女は驚いた。

なつかしい駄菓子とも、ちょっと前に流行った生キャラメルとも違う。濃厚な味わいや甘く芳醇な香りとはうらはらに、口に残らずスルリと溶けてしまう。夢見心地だ。甘いものに感動するなんて、いつぶりだろう?

翌週、彼女は表参道に降り立ち、はやる気持ちを抑えきれずに足早に人波の中を歩いていた。目的地は、キャラメル専門店『NUMBER SUGAR』だ。

はじめてきたけど、ちょっと懐かしい

キャットストリートのすぐ側、喧騒から身をひそめるように店を構えた『NUMBER SUGAR』は、なんだかレトロな洋菓子屋さんのようだった。

場所柄、若い女の子ばかりかと思っていたけど、お客さんの中には会社員らしき男性もいる。

白地にナンバーが振られただけ、というシンプルな個包装に、アラサーになった彼女はなんだかほっとする。ミニマルでユニセックスなパッケージだから、これからいくつ歳を重ねても、誰と一緒に過ごす時も、このキャラメルのことは気後れすることなく「好き」と言える気がした。

キャラメルは、白いギフトボックスがクリーンな印象のセット売りと、1粒ずつ好きな味が選べるバラ売りがある。彼女をここまで連れてきたのは、ソルトフレーバーの「No.2」。オフィスで味わったそのフレーバーを、さっそく手に取ってみる。

1ヶ月間わくわくできるおやつ

キャラメルの種類は全部で12種類。

「キャラメルは冷蔵保存ですか?」と店主の前原さんに声をかけて、驚いた。『NUMBER SUGAR』のキャラメルは、常温保存で賞味期限が1ヶ月もあるのだという。すっととろけるような口どけだから、生菓子のように扱わないといけないものだと思っていた。

それだけもつなら、ラムレーズンやジンジャー、マンゴーなど他のフレーバーも気になる。会社で彼女が食べたのは2粒で、「No.2」のソルトと「No.5」のラズベリーだった。パッケージからは味の想像がつかないから、まったく異なるフレーバーにびっくりしたのだ。

芳醇なカラメルの味と、甘酸っぱいラズベリーがすっと口の中から消えていった感触を思い出す。未知のフレーバーはどれも強い引力がある。小さな買い物カゴはいっぱいだけど、絞れない。

いっそ、1日1粒ずつのご褒美にということにして、各フレーバーが2つずつ入った24粒入りのギフトボックスを買ってしまおうか。

当たり前だけど、むずかしいこと

魅惑的なギフトボックスたちを見つめ、店内を一周し、またバラ売りコーナーに戻ってきた彼女に、前原さんがそっと説明する。

「NUMBER SUGARは、保存料、着色料、香料、酸味料、すべて無添加なんです。飴やキャラメルのフレーバーって、香りで味つけるのが常識なので、無添加でつくるために、実はすごく工夫が詰まっているんですよ」

煮詰める過程で香りが飛びやすいという話や、「No.6」のオレンジピールは刻んだピールで食感をつけたり、「No.8」のジンジャーは生姜を砂糖と煮詰めてオーブンで焼いて‪……‬と、作り方秘話を聞かせてもらう。シンプルな材料なのに、驚くほど味にバラエティがあるのは、研究の賜物なのだ。

丁寧につくられた1粒は、口に入った瞬間、彼女の心をとろかすだろう。

キャラメルクリームは休日の朝、トーストのお供に。贅沢な24粒入りは会社のデスクにそっと閉まっておこう。月頭からお給料日まで、NUMBER SUGARのキャラメルでカウントダウンするのだ。たった1粒とは思えない満足なひと口。

この優しい甘味をわたしの秘密のお守りにしよう、と心で唱えながら、彼女はキャットストリートを歩き出した。

Editor's Note

愛情やこだわりが美味しさとなって、小さな一粒にギュッと詰まったナンバーシュガーのキャラメル。大げさではなく、こんなに美味しいキャラメルを私は他に知りません。

プレーン、ソルト、シナモン&ティー、ラズベリー、オレンジピール、ジンジャー……etc. 12種類食べて一番好きな味を決めようと思いましたが、決められませんでした。と、同時に、36個入りを買わなかった事を心の底から後悔。「ひとつだけ」と思っても、絶対に2個3個と食べてしまうのです。

新しくできた千駄ヶ谷工場には、なんと八丁味噌味を使用した味噌キャラメルもあるのだとか。どんなお味か気になるので、早速行ってみようと思います。(編集部 Joe)

Shop Access

Shop Info

NUMBER SUGAR

11:00〜20:00

火曜

03-6427-3334

東京都渋谷区神宮前5-11-11

表参道駅 徒歩7分/原宿駅 徒歩8分

※取材時期や店舗の在庫状況により、掲載している情報が実際と異なる場合があります。 商品情報や店舗の詳細については直接店舗にお問い合わせください。
Editor 小西麗
Photographer 橋本越百

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