指輪は、旅の仲間

空が青く晴れ渡り、暖かい日差しと秋の風が心地いい。しかし鼻を抜けていく空気は冬のそれ。冷たい空気を深く吸い込むと頭がすっきりする。

男が原宿を歩いていたのはそんな日だった。要するに、とても気分の良い日で、彼も気分良く歩いていたわけである。

フリーランスのデザイナーとして働く彼は、基本的にシンプルな装いを好む。アクセサリーは左手薬指のマリッジリングだけで、ほかに何かを身に着けたことも、身につけようと思ったこともなかった。

そんな彼がこの日、表参道の路地裏にあるジュエリーショップ「オーロラグラン」に足を踏み入れたのは、偶然だったのか。それとも。

どうやら運命だったようだ

緑の豊富なエントランスから、店内に足を踏み入れる。開放的な雰囲気で外の気持ちいい空気がそのまま続いているが、明らかに異世界。しかし、ふしぎな調和を醸していた。

デザイナーがこだわって、時には特注したり工房で作ったりすることもあるというディスプレイケースたち。かわいらしい雰囲気もあるのだが、どこか無骨さも感じる。デパートのジュエリー売り場のような“甘さ”はまったくない。

この雰囲気が、彼を誘ったのかもしれない。

指輪の“重ね付け”には偏見があったかもしれない

ふらりとお店に入った彼。当たり前だが、ジュエリーがたくさん並んでいる。そもそも、どう選べばいいのかすら、彼には分からない。もっと言えば、ジュエリーが欲しくてここに足を踏み入れたのかどうかすら、怪しかった。

やや戸惑ったまま、店内を遠慮がちに見て歩く彼に話しかけてくれたのが、チーフデザイナーの野口さんだ。手には合わせて7本の指輪がつけられている。

「最近は、男性のお客様がマリッジリングと重ね付けするための指輪をご覧に来られたりします。まずはシンプルなものから試して、だんだん好みのものを見つけていくのを楽しんでいただいています。自分の目に見えるところに着けるものなので、その日の気分にあわせて変えていくのも楽しいですよ」

彼の頭の中にあった「指輪の重ね付け」は少年漫画に出てくる「成金野郎」か「悪の女王」の姿だった。色とりどりの宝石を嫌味にじゃらじゃら鳴らしているような。

しかし、ここにあるリングたちにはそういった嫌味さはまったくない。それは、野口さんの手を見てもわかる。

いくつか試しながら、気に入った1本を買って帰ることにした。

すべてに「意味」があり「物語」がある

統一感とはほど遠い、オリジナリティあふれるジュエリーケースが並ぶ店内。そしてさまざまなデザインの指輪たち。これらが調和したこの空間は、オーロラグランが持つ、ものづくりへの姿勢からくるものだ。

オーロラグランの作品に共通するキーワードのひとつが「旅」だという。

「旅といっても遠くに行くことばっかりではなくて、帰り道を少し変えてみるとか、先頭の窓を眺めながら電車に乗るとか、そういうことも旅なんです。日々、感じたこと、考えたことがふと、リングという形になってお店に並びます」

そう語る代表の川口さん。リングとは言っても、それ自体ではただの金属の輪でしかない。が、野口さんや川口さんの感性というフィルターを通じて凝縮された「意味」にこそ意味がある。そこにあるのは旅そのもの、つまり「物語」なのだ。

彼が買った「ジニィーリング」にも、もちろんそんな物語が込められているが、ひとたび彼の指に着けられれば、そこからは新しい物語が始まる。

人生そのものが旅。その伴侶としてのリングはきっとあなたの人生を彩ってくれるだろう。

なお、オーロラグランでは11月30日までブライダルフェアを開催中。ふたりの物語を語れば、これからの旅(人生)を見守ってくれる最高のリングを紹介してくれるはずだ。

Shop Access

Shop Info

AURORA GRAN(オーロラグラン)表参道ショップ

月〜金 13:00〜20:00/土日祝 11:00〜20:00

水曜

03-6432-9761

東京都渋谷区神宮前4-25-10

明治神宮前 徒歩4分/表参道 徒歩6分

※取材時期や店舗の在庫状況により、掲載している情報が実際と異なる場合があります。 商品情報や店舗の詳細については直接店舗にお問い合わせください。
Editor 塚岡雄太
Photographer 廣田達也

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