浅草で見つけた、手作りの味わいと粋な心遣いにときめくクッキー
浅草駅から歩いて約10分。浅草寺近くの喧騒を抜けて言問通りを渡ると、観光客で賑わう駅前とは違った表情を見せてくれるエリアが待っている。
そんな昔ながらの個人商店や飲食店が集まる街の一角を散策しながら向かったのが、『菓子工房ルスルス』。
出張先でいつもお土産を買ってきてくれる先輩へのお返しに、思いが伝わるとびきりの手土産を買っていこうと思ったのだ。
和の趣ある店内から垣間見える「手作り工房」
のれんをくぐって足を踏み入れた店内は、古民家のような木のぬくもりと、白熱灯が照らす優しい空間が広がっている。
こちらの店舗は、かつて日本舞踊の稽古場として使われていた一軒家を改装をして作られたのだそう。頭上の梁や障子など、当時のまま残されている箇所もあり、オーナー姉妹が自ら選んだというアンティーク家具と調和して、心地よい空間になっている。
ガラス扉の奥からは、菓子工房が垣間見える。浅草店以外に、東麻布店、松屋銀座店と3店を構える『菓子工房ルスルス』のお菓子は全て、ここ浅草店の工房で、ひとつずつ丁寧に手作りされている。
ちなみに“ルスルス”とは、フランス語で「源」「発信」を意味する言葉。発音しやすく、親しみを持ってもらえるようにと、この店名に決めたそうだ。
テーブルが華やぐ、“ちょっとした心遣い”が嬉しい手作り焼き菓子
もともとは、お菓子教室からスタートしたという背景を持つ『菓子工房ルスルス』。店舗で購入できる焼き菓子も、お菓子教室で作られていたような、家庭的な美味しさが魅力だ。
「派手な装飾をしたり、高級材料を使ったりはせず、丁寧な技で “シンプルでおいしい味わい” に仕上げています」と、オーナー姉妹の新田あゆ子さんとまゆ子さんが教えてくれた。
手のひらに乗るほどのシルバーの缶に入った焼き菓子は、手土産にもぴったり。丁寧に作られた味わいに加え、クッキーの可愛らしい見た目に気分も上がる。
たとえば、星モチーフのクッキーが敷き詰められた〔夜空缶〕や、ツバメや千鳥など、さまざまな鳥モチーフのクッキーが詰まった〔鳥のかたちクッキー〕。
この2つには、それぞれ色付きの折り紙が3枚入っている。この折り紙は、取り分けに便利なだけではない。紙の上にクッキーを乗せると、夜空に浮かぶ星や夕暮れどきの空を飛ぶ鳥が再現されるという、意外な仕掛けが隠されているのだ。
お店の粋な心遣いに、プレゼントを選んで贈る側もついワクワクしてしまう。
小粋な和紙に包まれた猫に、心がときめくジンジャークッキー
〔夜空缶〕〔鳥のかたちクッキー〕と同じく誰かに贈りたくなるのが、ジンジャー風味の猫型クッキーが入った〔ミカモトわっぱ〕。
わっぱのようなケースを開けて、まず目に入ったのは、鮮やかな色合いが印象的な「和紙」。
クッキーを覆うように入っているこの和紙は、ちょうど文庫本のカバーになるサイズ。クッキーを食べ終えた後も、お気に入りの本と一緒に長く愛用してもらえるという、粋な計らいなのだ。
この和紙は、雷門のすぐ真横にある老舗和紙店から仕入れたもの。和紙の種類は多岐にわたり、どんな和紙があるかはお楽しみ。浅草店では好みの柄を選べることもあるのだとか。
ちなみにこの猫は、浅草のとある洋服屋さんの看板猫だった茶トラの「御神本(みかもと)」がモチーフ。茶トラは英語で「ジンジャーキャット」とも呼ばれるため、赤茶色のジンジャー風味に仕上げたのだそう。
家庭的でシンプルなお菓子づくりから、贈り物として喜ばれる粋な工夫まで、こだわり満載のルスルスのお菓子。そんなクッキーにときめいて、思わず自分用にも買ってしまった。「せっかくだから誰かと一緒に食べよう」と歩きながら考えつつ、浅草の街をあとにした。
EDITOR’S
NOTE
スタイリッシュなシルバーの缶に結ばれたリボンをほどいて蓋を開けると、まるでパズルのように美しく並べられたクッキーとご対面。
この瞬間がクッキー缶における最大の楽しみと言っても過言ではないと思っているのですが、ルスルスさんのクッキーは、かわいいリボン、添えられたカードや折り紙など、食べる楽しみにプラスして、驚きと感動が詰まったクッキーなのです。浅草店は電話予約ができるので、購入したい方は事前予約がおすすめ!
8月になったらテイクアウトで楽しめるかき氷は、「いちじくミルクティー」や「スイカハーブティーソルト」など、隔週で変わる季節の果物を使用したフレーバーが魅力。浅草散策のお供にもぴったりです。
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