渋谷
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本当に好きなものを見つける、ひそやかな「山小屋」

数ヶ月に一度、洒落たビストロで友人と過ごすひととき。

それが社会に揉まれて5年目になる彼女が、自分に許すちょっとした「ご褒美」である。新しい皿が運ばれてくるたび、口々に歓声があがるのが実に女子会らしい。そんな中、彼女は思わず息を飲んだ。

「これ、どこのお皿ですか?」

薄墨で描かれたようなボタニカルの絵付けに一瞬で心を射抜かれてしまった。

ドキドキするのはワインのせいだけじゃないはず。

彼女は、店員が『HAY hutte』と記したメモを大切に手帳に挟んだ。

01

日常の延長に流れる、特別な時間がそこにあった

緊張しながら、そっとインターホンを押す。エントランスがオートロックの雑貨屋さんなんて初めてだ。階段をのぼると、凛とした雰囲気の女性が「いらっしゃいませ」とドアを開けてくれた。

かすかに甘く、どこか温かみのある香りが店内にふわりと漂う。

「いい香りがする……」

「キャンドルかしら?『SMOKE & MUSK』の香りなんです。山小屋をイメージしたお店だから、ぴったりだと思って」

趣味が高じて、日常に「アウトドア」を感じられるような雑貨や食器を、オーナーである永澤さんが自身で足を運び、各国から買い付ける。それってなんて素敵な仕事なんだろう。「専門的な知識を持って選んでいるわけじゃなくて、出会いやフィーリングの部分が大きいですけどね」と謙遜する永澤さんを、彼女は眩しく思った。

エントランスのブザーは「#202」
エントランスのブザーは「#202」
山小屋気分を味わえるポット
山小屋気分を味わえるポット
ミッドセンチュリーデザインのフランスの窯元のシュガーポット
ミッドセンチュリーデザインのフランスの窯元のシュガーポット
山小屋が描かれたドアー
山小屋が描かれたドアー
02

国籍が交わるディスプレイは世界の縮図

こんなところにも、と下の棚を覗く彼女。

長居しちゃうなぁ、と呟くと、「みなさんゆっくりされていきますから」と言われてほっとする。

「これはどこの国から来たんですか?」という質問への返答は、フランス、ベトナム、イギリス、ラトビアにリトアニア、これは北欧……と驚くほど多国籍なのだった。

「全体的にフランスやスウェーデンのものが多いかもしれません。寒い季節は北欧のものが並びがちかな。夏になると、タイや、ヨーロッパで買ったアフリカのものとか、暖かい国のものが増える傾向にあります」

彼女をここまで連れてきたそれに似た皿が目に留まる。これらはベトナムから来たらしい。同じものはひとつもないが、兄弟のような顔をした食器たち。

長旅ご苦労様、と凹凸のある柄をそっと指でなぞる。

雑貨の8割は食器だそう
雑貨の8割は食器だそう
これはベトナムから
これはベトナムから
小さい手袋はスウェーデン製、大きい方はラトビア製
小さい手袋はスウェーデン製、大きい方はラトビア製
春になったら、こんなティーセットでピクニックに出かけたい
春になったら、こんなティーセットでピクニックに出かけたい
03

こんなデイベッドがあれば、毎日が変わるかもしれない

店内の右側は、打ち合わせスペースのようになっていた。

『HAY hutte』は、雑貨だけではなく、インテリアデザインも請け負っているのだ。

「これもオリジナルなんですか?」

彼女が惹かれたのは、大きなソファのような、小さなベッドのような家具だった。デイベッドというらしい。籐の背もたれに、簡潔なリネンがすがすがしい。

オリジナルだからパーツやカバーの組み合わせ次第で雰囲気が変わるんですよ、と作例を見せてもらった。

「大きなコンセプトに、『ものを大事に』というところがあって。家具類は受注生産で、無駄なく長く使って欲しいんです。ヴィンテージの雑貨をリユースすることで、ものを大切にする『心』も受け継いでいけたらいいですよね」

台座の部分のゆるやかなカーブや、籐を巻きつけた脚元のディティールが素敵
台座の部分のゆるやかなカーブや、籐を巻きつけた脚元のディティールが素敵
生地を選ぶセミオーダータイプの椅子もある
生地を選ぶセミオーダータイプの椅子もある
個人では新居など「節目」に発注する方が多いのだとか
個人では新居など「節目」に発注する方が多いのだとか

『HAY hutte』と永澤さんを見ていると、仕事に対する気持ちを改めねば、と彼女は思った。

わたしの好きなものってなんだったっけ。

今はまだぼんやりとした小さな心の変化も、毎朝ここで購入したマグで美味しいコーヒーを淹れたら、だんだん輪郭が現れるような気がしているのだった。


Editor | 小西麗
Photographer | 橋本越百

SHOP INFO

HAY hutte ハイヒュッテのマップ
店舗名
HAY hutte ハイヒュッテ
住所
東京都渋谷区松濤2-13-1 松濤ハウス202
アクセス
渋谷駅 徒歩15分
営業時間
月火金土 12:00〜19:00
定休日:水・木・日
電話番号
03-6804-9056
※ 取材時期や店舗の在庫状況により、掲載している情報が実際と異なる場合があります。 商品情報や店舗の詳細については直接店舗にお問い合わせ下さい。

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