吉祥寺
ShopStory
店舗情報 EDITOR'S NOTE

なつかしいのに新しい「行きつけ」

あなたには家以外でホッとできる場所はありますか?

彼女にはある。疲れたなと感じた時、そして時には目的がなくともなんとなく、吉祥寺で途中下車してその店を訪れる。

けれど、そこはコーヒーの香りが心地よいカフェでもなければ、仕事帰りに立ち寄る隠れ家レストランでもない。

――サブロという文房具屋なのだ。

01

吉祥寺駅からエスケープ

吉祥寺駅から徒歩5分。商店街や百貨店で賑わう中を歩くとすぐにつく。すぐに着くその距離感も良いと彼女は思っている。

階段をのぼって2階へたどり着く。

不思議なのだけど、この階段をのぼる時おばあちゃん家を思い出す、と彼女はいつも思う。

レトロ、というのとはまた違う安心感。ほんのりと鼻をくすぐるお香のにおいからかもしれない。

この入口だって初めて来たときは見つけられなくて2回も通り過ぎてしまったほど、本当にひっそりと“隠れ家”みたいな雰囲気の店なのだ。

彼女は決してとてつもなく難易度の高い仕事をしているわけではない。自分でも感じているし、毎日終電で激務な生活をしているわけではない。それでも仕事のことは常に頭にあるし、熟睡できない日だってある。

だけどこの店に来ると、どうしてか本当に不思議なのだけど、すっと無心になれるんだ。

仕事のことだけじゃない。

明日の晩ごはんのメニューはどうしようとか、そろそろお風呂掃除しなきゃとか、知人からのモヤモヤする言葉とか、そういう頭の中を占めていた言葉たちがふっと見えなくなるのもまた不思議。

店の看板は真剣に見つけようとしないと見逃してしまうから気を付けて
店の看板は真剣に見つけようとしないと見逃してしまうから気を付けて
このどこか懐かしい雰囲気の階段を上った先にお店がある
このどこか懐かしい雰囲気の階段を上った先にお店がある
店内は木の棚にところせましと文具がぎっしり
店内は木の棚にところせましと文具がぎっしり
02

ここまで心を落ち着かせる場所がこれまでにあっただろうか?

店内は10畳ほどだろうか。5人お客さんが来たらいっぱいになるほど。

それなのに、彼女はこの店を訪れる「ずっと無限に見ていられる」と毎回店内を何周も何周もする。そして、その度に胸をときめかせるものを発見する。

ヘビーユーザーの彼女だからこそ知っていることだが、実は月に1回くらい新商品が入る(ようだ)。

もちろん、「新商品です!」とPOPがついているわけではないのだが、「あっ……これあたらしい。」と見つけるのも楽しい。

サブロはその昔、三郎さんという方が京都で文房具店を営んでいたのがそもそもの始まりなのだという。そして、そのお孫さんにあたる女性が、このサブロのオーナーなのだ。文房具に囲まれて育ったオーナーは、ある日友人に「その文房具すごくかっこいい!」と褒められたことをきっかけに、文房具の魅力を再発見。その時の「レトロなものも、今改めて見てみるとかっこいいのかもしれない」という気付きがきっかけになり、この吉祥寺でお店を始めるに至ったのだそう。

そっとそう教えてくれた店員さんは、いつもささやくように話す。

そんな店員さんと話していると、彼女も自然とトーンダウンしてすーーーっと心が落ち着いて行くのを感じる。

「大丈夫ですよ」とかそういう言葉を言われたわけでもないのに。

これまでに訪れた中で、ここまで心を落ち着かせる場所がこれまでにあっただろうか?なんて心の中で彼女はつぶやく。

お道具箱やゲームが並ぶ、昭和の駄菓子屋のようなコーナーも。見ているだけで子供時代にタイムスリップ
お道具箱やゲームが並ぶ、昭和の駄菓子屋のようなコーナーも。見ているだけで子供時代にタイムスリップ
鳩のマークがかわいいレトロな定期入れやがま口たち。金色の箔押しが少し大人の雰囲気をプラス
鳩のマークがかわいいレトロな定期入れやがま口たち。金色の箔押しが少し大人の雰囲気をプラス
「大人のひとこと3年日記」なんていうおもしろ系ノートの種類も豊富
「大人のひとこと3年日記」なんていうおもしろ系ノートの種類も豊富
友だちが持っていて羨ましかった、そんな幼い頃の思い出が蘇る懐かしいアイテムも
友だちが持っていて羨ましかった、そんな幼い頃の思い出が蘇る懐かしいアイテムも
03

人を想う気持ちの余裕が生まれ

彼女は通い詰めるうちに、店に来るほかのお客さんはどういう過ごし方をしているのだろう、と気になるようになってきた。

多くのお客さんが手に取っていたのはオリジナルのハンコ。シュールな中にも繊細な表現がこだわりを感じさせる「人数字ハンコシリーズ」は、他では絶対に手に入らない手描き風の風合いがたまらない。初めて目にするけどなんだか新鮮な気持ちになるところは、ハンコもこのお店も同じ。

ふと、窓際に貼られた包装紙のようなものに目が奪われる。よく見てみると、小さく日付が印刷されていて、それがカレンダーであることが分かった。

あれ? でも、3枚セットってどういうことなんだろう……。

棚に並ぶ丸められたそのカレンダーを眺めているうちに、彼女は思いついた。そうか、これはただの飾るカレンダーではないんだ。

1枚は家で飾って楽しんで、もう1枚は友達へのプレゼントの包装紙に使うのはどうだろう。

もしかしてそんな提案での3枚セットなのではないかな。

しかもカレンダーだから、友だちの誕生日の日付をシールで目立たせたり、ハンコで飾ったりしたら面白いかもしれない。

どんどん楽しい気持ちになってきた。

疲れたな、と店に足を踏み入れたのに、気づけばとっくにせわしない日常はリセットし終えて、人を想う余裕が生まれワクワクした気持ちを彼女は迎え入れていた。

数字とアルファベットのシュールな絵柄が人気のオリジナルのハンコ
数字とアルファベットのシュールな絵柄が人気のオリジナルのハンコ
3枚セットのカレンダーは、ブックカバーや便せんにしてもいいかもしれない
3枚セットのカレンダーは、ブックカバーや便せんにしてもいいかもしれない
スケッチブックや消しゴムの絵柄の紙袋。つい一通り欲しくなってしまう
スケッチブックや消しゴムの絵柄の紙袋。つい一通り欲しくなってしまう

EDITOR’S
NOTE

編集後記

手に取る人によって、懐かしかったり新しかったり。小さいお店の中に、レトロでかわいい文具や雑貨がギュッと詰まっている『サブロ』。

お店に着いたらまずは店内を一周、そしてもう一周……。周る度に不思議と目に入るアイテムが変わる、かくれんぼしている文具を探し出すような、そんな楽しさがあるお店です。

この日、退職する同僚へのプレゼントに「大人のひまつぶしノート」を購入しました。昔ノートの片隅で遊んでいた様なゲームや占いが書かれた、ページをめくるたびにクスッとできるノート。悲しいお別れに少しのユーモアをプラスしたプレゼントが選べて大満足でした。

編集部:Joe
Editor Joe
Editor | 松本果歩
Photographer | 橋本越百

SHOP INFO

36 Sublo(サブロ)のマップ
店舗名
36 Sublo(サブロ)
住所
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-4-16 原ビル 2F
アクセス
吉祥寺駅 徒歩5分
営業時間
12:00~20:00
定休日:火
電話番号
0422-21-8118

※ 新型コロナウイルスの影響により、一部のお店が通常と異なる時間で営業を行なっております。ご来店の際には直接お店にご確認をお願いいたします。

※ 取材時期や店舗の在庫状況により、掲載している情報が実際と異なる場合があります。 商品情報や店舗の詳細については直接店舗にお問い合わせ下さい。

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