日本橋
ShopStory
店舗情報 EDITOR'S NOTE

五感で味わう、日本茶という文化の豊かな真髄

1日の勤めを終えた彼女は、オフィスからの道のりを足早に歩いていた。冬の風が彼女の耳を冷たく撫でていき、吐き出した息はぼんやりと白く空に上っていく。

ああ、早く、おいしいお茶が飲みたい。

待ちきれない、とばかりにさらに歩調を早めた彼女の目的地は、日本橋の中央通りに居を構える『山本山 ふじヱ茶房』。五感を通じて日本茶を堪能することができる、新しいスタイルの日本茶の専門店だ。

01

心落ち着く静けさの中で、お茶と向き合う

濃紺の暖簾をくぐり、案内されたカウンター席へ腰を下ろす。大きなガラス張りが印象的な店構えだけれど、お店の中は心地のいい静けさで満ちていて、通りの喧騒は一切聞こえてこない。

この『ふじヱ茶房』は、1690年に日本橋で創業した老舗のお茶専門店である山本山が手掛けるお店。長らく山本山の本店として多くの人に愛されていた店舗を、2018年のブランドリニューアルの際にお茶や季節の和菓子などを味わうことのできる茶房としてオープンさせたのだという。

伝統的な和のモチーフと洋のエッセンスが調和したデザインの店内は、シンプルながらあたたかみがあり居心地がいい。日本茶のイメージを覆す洗練された雰囲気は、通り掛かった人が日本茶のお店と知らず来店することもあるというくらいだ。

和と洋のエッセンスが融合した、シンプルで洗練された雰囲気の店内
和と洋のエッセンスが融合した、シンプルで洗練された雰囲気の店内
カウンター席や奥のテーブル席では、店員さんがお茶を淹れてくれる様子を間近に見ることができる
カウンター席や奥のテーブル席では、店員さんがお茶を淹れてくれる様子を間近に見ることができる
中央通りに面する、ガラス張りのモダンな店構え。濃紺の暖簾が山本山の伝統を感じさせる
中央通りに面する、ガラス張りのモダンな店構え。濃紺の暖簾が山本山の伝統を感じさせる
02

日本茶という文化のこれまでにない発信の場

彼女がオーダーしたのは「宇治玉露」。実は玉露というのは山本山の6代目・山本嘉兵衛によって考案されたもので、特有の濃厚な甘みが特徴的なこの宇治玉露はふじヱ茶房の看板メニューのひとつでもある。

300年以上の歴史をもつ山本山は、創業当時から常に「新しいもの」を追求しているブランドなのだという。玉露の考案に加え、江戸時代に煎茶をはじめて販売したのも山本山であるということからも分かるように、いつの時代においても先駆者であり続けている。

そして、このふじヱ茶房も、そんなブランドのスピリットを受け継いでいる。歴史と伝統のある本格的でおいしいお茶を、もっと多くの人に味わって欲しい——そんな思いからオープンしたふじヱ茶房は、次の300年に向かう新しい文化を発信する場なのだ。

ふじヱ茶房でしか買えないオリジナルの茶葉(¥1,296〜/税込)。茶葉のラインナップは7種類
ふじヱ茶房でしか買えないオリジナルの茶葉(¥1,296〜/税込)。茶葉のラインナップは7種類
リブランディングにより和モダンなパッケージに。茶葉の産地がひと目でわかるのも特徴の一つ
リブランディングにより和モダンなパッケージに。茶葉の産地がひと目でわかるのも特徴の一つ
オフィスなどで1杯から気軽に日本茶を楽しめるティーバッグタイプも(¥1,080〜/税込)
オフィスなどで1杯から気軽に日本茶を楽しめるティーバッグタイプも(¥1,080〜/税込)
山本山の最高級の味わいを堪能できる玉露(¥3,780〜/税込)
山本山の最高級の味わいを堪能できる玉露(¥3,780〜/税込)
03

見て、聞いて。日本茶を五感で味わう

カウンターの向こうで店員さんが釜からお湯を掬うのと同時に、彼女も背筋をぴん、と伸ばした。耳を澄ますと、お湯が注がれていく音がすっと体の中に響く。

ほどなくして、店員さんが流れるような手つきでお湯を器から器へと移し変えていく。こうすることでお湯の温度が下がっていき、茶葉に合わせた最適な温度でお茶を淹れることができるのだ。

そして、いよいよ急須へとお湯が注がれると、次第にお茶の香りがじんわりと広がっていく。湯呑みに口をつける前に、まずは玉露の澄んだ色とふくよかな香りを楽しむ彼女。こうして五感でお茶を味わうことができるのは、このふじヱ茶房ならではの体験だ。

心落ち着ける空間で、ゆったりとお茶と向き合う。日々の忙しなさから離れ自分の心をリセットできるこの場所で過ごすひとときこそ、現代に生きる私たちに本当に必要な時間なのかもしれない……そんなことを考えながら、彼女は心ゆくまで日本茶を味わったのだった。

お茶には数種類の中から選べる季節の和菓子がセットに。こちらは秋を代表する花「りんどう」を象った和菓子
お茶には数種類の中から選べる季節の和菓子がセットに。こちらは秋を代表する花「りんどう」を象った和菓子
器から器へと移し変える度に、お湯の温度が5度ずつ下がっていくのだという
器から器へと移し変える度に、お湯の温度が5度ずつ下がっていくのだという
最適な温度まで冷ましたお湯を急須へ注ぐ。茶葉の種類や産地によって淹れる時の温度が異なる
最適な温度まで冷ましたお湯を急須へ注ぐ。茶葉の種類や産地によって淹れる時の温度が異なる
急須から湯呑みへお茶を注ぐと、甘くふくよかな玉露の香りがふわりと漂ってくる
急須から湯呑みへお茶を注ぐと、甘くふくよかな玉露の香りがふわりと漂ってくる
宇治玉露(¥2,300/税込)は淹れた後の茶葉ををポン酢でいただける
宇治玉露(¥2,300/税込)は淹れた後の茶葉ををポン酢でいただける

EDITOR’S
NOTE

編集後記

お店に入ってまず驚いたのは、比較的交通量の多い大通りに面しているとは思えないほど、店内に流れる凛とした空気。

お茶を淹れる所作の音、店内に活けられた季節の草花、立ち上るお茶のふくよかな香り、触れた茶碗の暖かさに、何層にも感じられるお茶の甘み……。まさに、日本文化の代表でもある日本茶の世界を「五感で感じる」ことができる空間です。

私のデスクの上には、記事中でもご紹介しているティーバックの詰め合わせを常備しています。狭山、八女、知覧、玉露…と様々なお茶がセットになっているので、産地による味の違いを楽しめるのところがお気に入りです!

編集部:Joe
Editor Joe
Editor | 福島みづき
Photographer | 有本真大

SHOP INFO

山本山 ふじヱ茶房のマップ
店舗名
山本山 ふじヱ茶房
住所
東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋三井ビルディング 1F
アクセス
日本橋駅 直結
営業時間
10:30~20:00
電話番号
03-3271-3273
※ 取材時期や店舗の在庫状況により、掲載している情報が実際と異なる場合があります。 商品情報や店舗の詳細については直接店舗にお問い合わせ下さい。

RECOMMEND おすすめ記事
【10月特集】とっておきの時間の見つけ方。中央線に揺られて素敵なお店へ
極上の一杯を!美味しい紅茶が買える東京都内の紅茶専門店
人から人へ、日本茶との新たな出会いを芽吹かせて
とびきりの紅茶に心を預けて、夢心地のひとときを
体の外からも中からも。「私」を見つめ直すガーデン
【11月特集】センスの光る冬の始まりを探しに、日本橋を訪れて
【4月特集】池袋で過ごす、小旅行のようなひととき
【3月特集】銀座で出会った「ありがとう」のプレゼント
【2月特集】寒い冬だからこそ見つかる、新宿の街を楽しむ秘訣
絶対に褒められる、東京でしか買えないセンスのいい手土産特集
【2019年】彼女や友達に!最高のクリスマスプレゼントを買える東京都内のお店6選
それは旅するダイヤモンド。本物の輝きに出会うとき
小さな森のようなお店で出会う、グリーンのある毎日
【2019年】彼氏が喜ぶクリスマスプレゼントを買えるお店6選!とっておきのメンズギフトをご紹介
愛嬌と手触りに惚れ惚れする、和紙舗
マグで楽しむ新感覚のおだし体験
【11月特集】センスの光る冬の始まりを探しに、日本橋を訪れて
極上の一杯を!美味しい紅茶が買える東京都内の紅茶専門店
手仕事のストーリーを編む、ハンドメイドの手芸雑貨
お問い合わせ
お問い合わせいただきありがとうございました
恐れ入りますが、内容によりご回答やお返事をお約束できない場合や、お時間をいただく場合がございます。
再度お問い合わせを送りたい場合は、ページを再読み込みしてください